このモミジは大山巌(おおやまいわお)元帥(げんすい)墓所(ぼしょ)の参道に植えられたイロハカエデの並木で、新緑や紅葉の時に美しい景観を見せる。
明治時代の元勲(げんくん)大山巌(旧薩摩藩士(さつまはんし)・公爵(こうしゃく))は、西那須野地区に273町歩(ちょうぶ)(約271ヘクタール)の農場をもち、その一角に別荘も建てた。大山が世を去ったのは大正5年(1916)12月10日で、遺言により生前こよなく愛したこの地に葬られた。墓所は、大山が開いた農場の一角につくられた。
その後、同年12月末から大正6年(1917)にかけて、宮内省(くないしょう)技師(ぎし)の山本直三郎(やまもとなおざぶろう)の設計により参道が整備され、参道の両脇には様々な木が植えられた。大田原街道(おおたわらかいどう)以北(約100メートル)にはヒノキが、そして以南(幅18メートル、長さ約200メートル)には、モミジとサクラ・つつじなどが植えられた。モミジとサクラは一本おきに植えられたが、サクラは枯れたため伐採された。
大田原街道以南部分にあたるこの参道は、昭和30年(1955)、大山家より旧西那須野町に寄贈され、それ以降大山公園として親しまれている。
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