サルチル酸がカギ--菜食主義者に心臓病が少ないわけ
野菜と果物中心の食事をしている人は、血液中のサルチル酸の濃度が高いことがわかった。サルチル酸は、心臓発作を予防するといわれているアスピリンの活性成分であり、菜食主義者に心臓病が少ないわけがこれで説明できる、と研究者たちは考察している。
研究を行ったのは、英スコットランドの王立ダンフリース・アンド・ギャロウエー診療所のジョン・パターソン博士ら。パターソン博士らは、仏教の僧侶(菜食主義者)と、同じ地域に住んでいる非菜食主義者、糖尿病患者で毎日アスピリンを75mg服用している人たち、の3つのグループについて血液を調べた。
その結果、僧侶の血液中のサルチル酸の濃度が、菜食主義者でない住民よりかなり高く、しかも、毎日アスピリンを服用している人たちのサルチル酸濃度とほぼ同程度だったことがわかった。
心臓病予防のために、アスピリンを飲まなくても、菜食主義の食事にすれば、それに近い効果があるとことがわかったわけだ。
有機栽培で育てた野菜のスープには、ガンや心臓病の予防に効果のあるサルチル酸の含有量が多いと英国の研究者が報告した。11種類の有機野菜が原料のスープと、普通の野菜のスープを分析した。その結果、有機野菜スープには、サルチル酸が普通のスープよりも6倍も多いことがわかった。サルチル酸は動脈硬化を防ぎ、大腸ガンを予防する効果があることで知られている。研究者たちは「有機野菜のスープが体にいいことがこれで証明された」と話している。
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